問題があったと認め、反省し、再発を防ぐと約束する。それは必要なことです。しかし、すでに負担や苦痛を抱えた人に対して何をするのかが示されなければ、私たちの問題は終わりません。

2025年12月2日付で、美骨小顔協会と代表理事の下寺美和(川崎美和)氏から、首都圏青年ユニオン連合会宛てに内容証明が送られました。代理人はミカタ弁護士法人の下平学弁護士です。通知では、ローン審査の申込みで所得等を実際より多く申告するよう指示した事実を確認したこと、監督責任を認識していること、再発防止策を進めることが説明されています。

私たちは、この説明を受けても、被害を訴えた人の苦しみや失われた信頼が回復したとは考えていません。受講生の訴えを出発点に、どのような対応をするのかを問います。

代理人が廣瀬太亮弁護士から下平学弁護士に変わった

これまで下寺氏の代理人として対応していたのは、ひろせ法律事務所の廣瀬太亮弁護士でした。12月2日付の通知では、前任者と同連合会とのやり取りを受け、新たにミカタ弁護士法人の下平学弁護士が受任し、改めて事実調査をしたと説明しています。

10月の段階では、虚偽の記載を促した行為は従業員の独断であり、下寺氏の指示ではなかったという説明でした。今回示されたのは、外部委託先の特定のスタッフによる指示と、その所属先法人への確認結果です。誰が、どの立場で、どのような行為をしたと判断したのか。私たちには、調査によって明らかになった内容を具体的に伝える必要があります。

所得等を多く申告するよう指示したことは確認された

通知によれば、美骨小顔協会の講座受講料に関する信販会社のローン審査申込みで、外部委託先の特定のスタッフが、一部の受講生に対して所得等を実際より多く見せるよう指示していた事実を確認したとされています。下寺氏の承諾なく行われた、というのが協会側の説明です。

協会側がスタッフの所属先法人に確認したところ、その法人は事実を認め、謝罪したといいます。さらに、スタッフが独断で行ったとしても、監督の責任は法人の代表者にあると認識し、下寺氏自身も反省すべきことだと理解している、という説明がありました。

所得等を多く申告するよう指示されたという訴えに対し、協会側も、そのような行為があったと説明しました。それならば、「一部の受講生」とはどの範囲を指し、下寺氏の承諾なく行われたとどのような調査で判断したのかを示してください。案内を受けた本人が、自分の契約と調査結果を確かめられる説明を求めます。

それでも、独断だったという説明で受講生側の問題が片づくわけではありません。申込みを案内された人にとって、担当者が従業員か外部委託先かという事情を、契約の場面で知ることは容易ではありません。運営の側で確認した行為に対して、運営の側で責任ある対応を求めます。

約束した再発防止策を、実際の行動で示してほしい

下寺氏側は、監督責任を果たすために、次の対応を進めると通知しました。

  • 下平学弁護士を正式に顧問弁護士として起用し、法人運営の法的な管理を徹底すること。
  • 今後、ローン会社との提携をすべてやめること。
  • 下寺氏自身を含む従業員が法令に反する行為をしないよう、マニュアルを作ること。
  • 顧問弁護士による定期的な研修を実施し、同じことを繰り返さないこと。

また、こうした反省と対応を踏まえて掲載内容を更新するよう求め、通知が届いてから2週間以内の回答を要請しています。

私たちが確かめたいのは、何を約束したかだけではありません。ローン会社との提携はいつ終わり、どの契約に影響するのか。マニュアルは誰が守り、外部委託先を含む案内の実態をどう確認するのか。研修はいつ、どのように実施されるのか。再発防止を具体的な日程と運用に結びつけてほしいと考えています。

最初の問題から長い時間が過ぎた重さを受け止めてほしい

この問題で首都圏青年ユニオン連合会は、当初から下寺氏へ正式な通知を送っていました。同連合会への回答はなく、その後も複数の受講生や関係者から被害の訴えが寄せられ、組合として正式に扱うことになったという経緯があります。

同連合会には、下寺氏が自身のLINEグループで開き直ったように受け止められる発言をしていたという情報も届いていました。説明を求めた人たちにどのように向き合ってきたのか、その対応についても下寺氏からの回答を求めます。被害を訴えた側がどう扱われたと受け止めているのかは、信頼の回復に関わる問題です。

2025年12月の時点で、問題が最初に公にされてから1年半以上が経過していました。その間の長い沈黙の後に反省と再発防止が示されても、待ち続けた人の時間や、精神的な苦痛が戻るわけではありません。私たちが、通知を受けただけで十分に反省したと受け止められない理由は、この経緯にあります。

同連合会には、公にされていない同種の通報も複数あり、当時も被害や不利益を訴える声が続いていました。一度の通知をもって問題全体を解決済みとすることはできません。一人ひとりの訴えに向き合った対応が必要です。

これからの約束と、すでに生じた被害への対応は両方必要です

通知には再発防止の方針が示されていますが、対象となった受講生や契約の範囲、申告内容の訂正、返金や補償の具体的な進め方は示されていません。私たちは、これまでの契約についても、少なくとも次の点を説明してほしいと考えています。

  1. どの期間、どの講座、どの申込みで、事実と違う内容を記載するよう案内したのか。
  2. 対象となった受講生本人に、調査結果と契約への影響をどう知らせるのか。
  3. ローンや申告内容の問題、未受講分や解約・返金の訴えについて、個別にどのような対応をするのか。
  4. 本人が対応の進み具合と結果を確認できるよう、どのように説明を続けるのか。

今後同じことをしないという約束は、これから受講する人のためにも欠かせません。それとともに、すでに被害を訴えた人に何をするのかを示してください。監督責任を認めるという言葉を、契約と負担への対応に結びつけることを求めます。

学ぶ人、働く人が安心できる環境を求めます

受講生は、美容や施術の技術を身につけ、その先の仕事や生活を考えて費用を負担しています。この問題は、教育、美容、治療などの分野で学び、働く多くの人にとって、事業者を信頼してよいのかという根本に関わります。

私たちは、被害を受けた人が声を上げたことで不利益を受けたり、訴えが見えなくなったりする状況を望みません。働く人の福祉と公正な社会のためにも、起きたこととその後の対応を明らかにし、健全な労働・教育環境を求める必要があります。

美骨小顔協会と下寺美和氏には、代理人の下平学弁護士を通じて示した反省と再発防止の約束を、具体的な行動で示すよう求めます。私たちは、受講生への説明と被害への対応がどう進むのかを問い続けます。信頼を取り戻すために必要なのは、問題が解決したと言うことではなく、被害を訴えた人が対応を確かめられることです。